東京都中央区にある日本橋は、今年架橋100年を迎えました。現在の石橋は、明治44(1911)年に架けられたものです。
日本橋が最初に架けられたのは、徳川幕府が誕生した慶長8(1603)年で、木橋でした。江戸時代の幕開けと共に登場したこの橋は、江戸の中心に位置し、東海道など五街道の起点、五畿七道に設けられた一里塚の元となりました。周辺は河岸(かし)が発達し、舟運の中心でもありました。陸路と水路の双方から、多くの人・モノが行き交うことによって、日本橋一帯は一大商業都市として発達し、今に続いています。
本展示では、東京学芸大学附属図書館の往来物コレクションの中から、江戸時代の日本橋の姿を伝える資料の一部をご紹介しました。
(監修:黒石陽子 [本学日本語・日本文学研究講座教授])